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HORIZON ZERO DAWN


 木曜日にゲームソフトを買いにGEOに行ったところ、入り口に「ニンテンドースイッチは発売日(3月3日(金))午前10時から販売します」という張り紙がありました。
 あら、もう発売日なんだね、と。

 Youtubeのゲーム実況者では取り扱っている人は余り多くはないのか、それとも謎の力(?)によるものなのか、動画がほとんどありませんでしたし、1件だけゼルダのダイジェスト的な動画があったので観てみましたが、驚きの欠片もないグラフィック(今更このグラで驚くゲーム好きはおらんやろ)でしたね。
 ゲームとして面白いかどうか?ってのとグラフィックの質は比例しないことは重々承知ではありますが、プレイヤーに感動や驚きをもたらす要素のひとつで、その感動や驚きというのはゲームへの期待感にも繋がるものですから、無関係であるとは言えないものです。
 当然、期待感の高いゲームであれば、その期待感どおり、または期待感以上の質があれば、そのゲームへの没入感が高まる訳ですからね。(逆に、期待感の高いゲームで期待値以下であった場合は、ガッカリ感を感じてしまい、ゲームの本質以前にプレイする気が薄れてしまうものでもありますから、怖い要素でもありますが…。)

 さて、その木曜日に買いに行ったというゲームがコチラ、「ホライズン ゼロ・ドーン」です。ゾライゾンだのゼロダウンだので書かれてしまうことが結構あるみたいですが、ホライズンですし、ゼロ・ドーンです、はい。


 
ゲリラ驚異のグラフィック

 「ジオン驚異のメカニズム」的な表現ですが、そのくらいに凄いです(どのくらい?)。
 ゲリラゲームズと言えば、キルゾーンシリーズの開発スタジオですが、キルゾーンはゲーム性云々の前に、その驚異的なグラフィックスでプレイヤーに驚きを与えて来た人気FPSですから、当然のようにその技術が更に磨かれた状態で、ホライズンにも使われている訳です。

 私はPS4(ノーマル)でプレイしていますが、これがPS4 Proにも対応しており、Proだと更にグラが良くなるのですから驚きです。
 だって、ノーマルPS4でプレイしていても、グラフィックの綺麗さに感動できるんですから。

 ひとつだけ文句を付けるとしたら、山の急峻にある小川…ですかね。ここだけはもう少し頑張りましょうって感じではありました。
 でも、それ以外は今の所、全てのグラフィックが美しく感じられ、それがプリレンダではなく完全にリアルタイムでレンダリングされていることで、プレイヤーキャラの「アーロイ」が着替えようと水に塗れようとお構いなしにシッカリと描画してくれています。

 そもそもなんですが、このゲームは発表時からそれなりに期待していたゲームで、その期待感はグラフィックの美しさよりも、大型機械獣を狩ることができるというゲームの本質そのものに対してだったので、グラフィックの美しさでも驚かせてくれた、完全に「期待値以上」となったゲームでした。


ぜんぜんモンハンじゃないぞ

 一部では「真のモンハン」とか言っている人もいたみたいですが、全然モンハンっぽさはありません。強いて挙げるとすれば、この世界に住む人々が機械獣も狩りの対象にしているって辺りにモンハンっぽい雰囲気がある、というくらいなものでしょうかね。
 プレイした感覚は、どちらかと言えばファークライシリーズに近い感じがしました。
 今から1,000年後の地球が舞台なので、世界観的にはSFチックなところもあるのですが、それよりもジブリ的…ナウシカやもののけ姫の辺り…な雰囲気の方が色濃く出ています。主人公も女の子ですし。

 メインクエストの他に、サブ、サイド、狩り、盗賊討伐、古代文明探し等々、とにかく大量のクエストがマップ上にひしめきあっている感じ。
 アップダウンの激しいオープンワールドに、様々な機械獣が自由に闊歩している中、そんな多量のクエストを1つずつ、あるいは時には並行させながら、進めていく感じになっています。
 で、その辺にある草木、動物から得られる材料(資源)を使ってアイテム所持数を上げたり武器所持数を上げたり。はたまた、レベルが上がればスキルポイントが貰え、これを消費して主人公「アーロイ」を強化したり。矢玉が尽きれば資源を消費してその場で製作したり。
 機械獣を倒して得られるアイテムを売ってゲーム内通貨にして武器や防具を買ったり、新たな武器・防具を改造するアイテムでアップグレードしたり。
 機械獣を使役して背に乗って移動する事もできます。
 なので、モンハンらしさはほとんど感じず、そのゲームシステムの根幹はどことなくファークライに似ていることから、私個人としては「ファークライ3やファークライ4等を楽しめた人ならば楽しめるゲーム」という印象を受けました。


ストーリー展開がプレイヤーの心をつかんで離さない

 幼女期(5~6歳くらいか?)と、大人になってから(18歳くらいか?)とがあり、幼女期はチュートリアル兼ストーリー根幹のチラ見せになっています。ここでプレイヤーは「ここが1,000年未来の地球で、人類は栄えた文明を持っていながらもそれを衰退させ、今や絶滅の危機に瀕している」ことを知ります。

 「掟」によって、異端児として一族から拒絶され続けて生きて来たアーロイは、それ故に強く逞しくなる訳ですが、この展開もプレイヤーを熱くさせます。
 何故、文明を誇っていた人類が、ここまで文明レベルを下げて外界から逃れて生活しなければならなくなったのか。
 機械獣とはいったいどのような存在なのか。
 そもそもアーロイの出自の秘密はなんなのか。
 こうした壮大な物語がベースにあって、しかし今、目の前には一族を脅かす存在が現れており、その解決に奔走しなければならないという展開であるため、ひと度プレイを始めるとやめ時を失う程に没頭してしまっています。


面白さの根幹はゲームシステム

 しかしながら、ゲームの面白さは、ストーリーだけに留まらず、ゲームシステムにもガッツリあります。
 機械獣や敵になる人間と対峙するための武器は、基本は弓と槍なのですが、他にも様々な武器や罠があります。
 プレイヤーはステルス状態からの一撃必殺を狙うもよし、遠距離や高低差を利用して一方的に攻撃を加えてもよし、罠を使って一網打尽を狙うもよしと、戦い方をその場その場で選択できます。
 もちろん、槍一本で敵のど真ん中に突っ込んで暴れることも出来ない訳ではありませんが、アーロンの初期の防具は敵の攻撃を2~3発食らうと瀕死になる程度しかダメージを防げないことと、このゲームはTPSなのですが、アサシンクリードっぽい感じではなく、どちらかと言えばマスエフェクトっぽいTPSになるので、自分の後ろや画面外に廻った敵が非常に見えにくいことから、敵のど真ん中に槍で突っ込むのは非常に危険になるのです。

 このため、敵である機械獣の群れの構成、規模、付近の地形、手持ち武器等を勘案し、その場で最適な戦闘方法を選択することになるのです。

 とは言え、基本は「厄介な敵からステルスで順次倒して行く」ということになりますので、敵のスキャニングと移動ルート観察をしっかりやっておけば、どうにかなるシーンがほとんどですね。
 遠距離攻撃をしてくる敵も、仰角・俯角を大きくとることが出来ない場合もあるので、高低差を利用すれば案外一方的に倒せる場合もあります。

 武器にも属性があるので、火矢で燃やす、爆雷矢で弱点を破壊する、電撃トラップで痺れた所にクリティカルを決める、等々、これも戦い方に幅を持たせてくれます。

 単純にレティクルを合わせて弓で攻撃していれば良い訳ではない(ただの弓はそこまで強くない)ので、単調にならずに楽しめます。
 プレイの難易度は4段階(ベリーハード、ハード、ノーマル、イージー)ありますが、現在ノーマルでプレイ中です。難易度を変更すればどうなるかは判りませんが、ネット情報では敵のAIは変わらないみたいなので、やはり槍一本特攻は厳しそうです。


ボリュームは凄いことになっていそう…

 ストーリー的には、現在、ノラ族(アーロイを育てた一族)の拠点を離れたばかり…って辺りまで進めましたが、マップ全体を見ると恐ろしい程に広い事が判りまして、プレイ時間がどのくらいかかるのか、嬉しい悲鳴を上げているところです。
 プレイヤーが経験値を得るためには、主にクエスト達成が必要なのですが、クエストは実行不可能レベルのものも受注できてしまうため、実行可能レベルになったクエストから順次進めているところです。
 単調なものではなく、足跡・痕跡の解析・追跡もあれば、戦闘もあれば、人間を追っていたはずが大型の機械獣と戦闘しなければならなくなったりとか、もう様々てんこ盛り状態ですから、飽きずに遊べるのですが、1クエストがサブやサイドでもそこそこ規模があるので、思いのほかサクサク感は感じられない状態ですね。
 無駄に長くしているとか、冗長だ、とか、そんな風には感じないのが救いと言えば救いですが。

 ゲームに触れた印象としては、シングルプレイのオープンワールド・アクションとして、非常に手堅くカッチリ作ってあると言ったところです。
 ゲームシステムは複雑そうに見えて実際にはすぐに慣れることが出来るのも良い所です。

 どんなゲームなのか良く解らないから~って方は、取り敢えず、こんなファーストインプレで方向性が掴めますでしょうかね?
 「モンスターハンター」や「トゥームレイダー」等の辺りの方向性を期待している方にとっては「ちょっと違う」かとは思いますが、「ファークライ3/4/プライマル」「アサシンクリード」「アンチャーテッド」的な方向性が合う人には、恐らくは合うんじゃないでしょうか。